米作りの1年

1~2月

1月は雪に包まれて真っ白な弥彦村ですが、2月頃から少しずつ雪解けが始まります。

そろそろ春に向けて田んぼの準備です。 

田んぼの隅々に張り巡らされた用水路。底に溜まった泥を上げたり、田んぼの畔を補修したり。

用水路に水が入っていないこの時期にしっかり整備しておかないと、後々畔が壊れて水が染み出してくるのです。

3月

3月に入ると、いよいよ米作りは忙しくなってきます。

 苗作りのためのビニールハウスを張り、その中に水を溜めて苗を育てるための枠を作ります。(プール育苗といいます)

 トラクターで田んぼの畔を固めたり、種まきに向けて育苗箱の準備をしたり。

 

種籾の準備もこの頃から始まります。

浸種といって、10℃程の低温の水を入れ替えながら20日程かけてじっくり水を吸わせます。

これにより、均一な発芽が出来るのです。 


4月

4月に入るといよいよ稲の種まきです。播種機(はしゅき)を使ってどんどん播きます。

種まきを終えた育苗箱をビニールハウスに並べ、初めはシートで保温し、その後は温度計を見ながらこまめに換気をします。

 稲の苗は一か月で10㎝以上に成長します。

 

また、同時に田んぼの作業に追われます。

田んぼには信濃川からの雪解け水が流れ込み、連日沢山のトラクターが田を耕します。

土を細かく平らにならし、苗を植えやすいように丁寧に耕します。

水の張られた田んぼはまるで湖のようになります。

5月

田植は5月の初旬に行います。ちょうどゴールデンウィークの頃になります。

早朝、まだ肌寒い時間にトラックで田んぼに苗を運び、田植え機で苗を植えていきます。

 

田植えが終わった後は、植え損なった所や倒れてしまった稲の手直し。

(多少の手直しはやらなくてもよいのですが・・・やっぱりきれいな田んぼにしたいので、こだわりでやってます!)

 これだけでも大変な作業ですが、昔の人はすべて手作業で植えていたんだから頭が下がります。 


6月

気温もぐんぐん上がり、稲もグッと大きくなりました。

 徐々に田んぼが草原のようになっていきます。

 

しかし成長するのは稲だけではありません。雑草たちもぐんぐん伸びます。

 畔の草は機械で刈れるのですが、田んぼの中の雑草は手で引っこ抜いて行きます。

 

また、この時期に行う大事な作業として、「中干し」と「溝切り」を行います。

田んぼを軽く乾かして溝を付ける事で、水を素早く田んぼに広げたり、円滑に排水できるようになります。

 

夏場、大雨やフェーン現象(熱風)等が起きた際に、この溝切りをしているか、いないかで

稲の品質や生育、作業効率の明暗が分かれます。 


7月

7月初旬、稲が穂を出すタイミングを逆算して、有機質肥料の「穂肥」を与えます。

 

これは稲がお米を実らせるための栄養として与えるのですが、量や与えるタイミングを誤ると

稲が成長し過ぎて倒れてしまったり、十分に穂にお米が実らなかったりします。

そして7月下旬、ついに稲の穂が顔を出し、小さな花を咲かせます。

 


8月

稲刈を来月に控え、農機具の点検整備に追われます。

 コンバインや乾燥機などは一年ぶりの活躍なので、快適に稲刈りを行うためには丁寧な整備が重要です。

お米もだいぶ色づいてきました。稲刈りはもうすぐです! 


9~10月

4月の種まきからおよそ半年。黄金色の稲穂がグッと頭を垂れてきました。

ついに稲刈りの始まりです!

 

コンバインで稲を刈り取り、脱穀したモミをトラックで作業場に運んで乾燥~籾摺りを行います。

 

お米は籾や玄米の状態で保管され、注文ごとに精米作業を行い発送していきます。

手塩にかけて育てた石井農園のコシヒカリ、是非ご賞味くださいませ!